ウイスキーは工程の中で蒸留させたものを木樽で熟成させます。
この樽の熟成によってもたらされる効果について、えのき先生に解説して頂きましょう。
木樽での熟成によるウイスキーの変化
その変化こそがウイスキーの楽しみなんじゃよ。
色の変化
『透明のウイスキーってあるの?ウイスキーの色の秘密』という記事で解説したとおりですが、醸造酒を蒸留させた時点では無色透明の状態です。
それを木樽の中で長い間熟成させる事で、木樽の色がウイスキーに滲み出て琥珀色の美しい色が付着します。
熟成前のウイスキーは「ニューポット・ニュースピッツ」と呼ばれるんでしたよね。
ニューポットウイスキーの楽しみ方についても先日解説しておる。
ウイスキーの風味の変化
ウイスキーを長い年月熟成される事での効果は、味わいや香りにも大きく変化をもたらせます。
簡単に解説すれば味の深みが増し甘みが出てきます。
またニューポットに含まれる香り成分の増加・木樽の香りといった要因で、香りにも深みが増します。
では木樽による香りの特徴を簡単にまとめます。
- オーク樽:ココナッツやバニラのような香り
- バーボン樽:バニラ・カラメルのような香り
- ミズナラ樽:キャラメルのような香り
バーボン樽は新品の樽をバーナーで焦がしてから熟成させる事から、ちょっと焦がしたようなまさにカラメルの香りに近く感じます。
樽による香りの付着もありますが、ウイスキー自体が熟成による化学反応でエステルという物質がうまれます。
その香りの特徴として紹介されるワードが、「フルーティ」であったり「フローラル」で表現されます。
これらの香りの成分が複雑に絡み合って、ウイスキーの個性となります。
熟成期間での変化
ウイスキーは、熟成させる期間によって当然味や香りに変化が出ます。
この熟成期間が長いウイスキーほど色は濃くなり、甘みが増します。
ということは、熟成期間の短いウイスキーほど刺激的な味わいで長く熟成させたものほどまろやかな味わいになります。
ここで豆知識なのですが、ウイスキーには12年物・18年物といった表記がありますが、これは12年間熟成させたものという事ではありません。
ウイスキーの味や香りを変わらず提供するために、原酒を混ぜ合わせ(ブレンデッド)瓶詰めします。
この時12年以上熟成させた原酒ばかりで作れば、12年物となります。
例えば12年熟成させたものと50年熟成させたものを混ぜ合わせた場合も、12年物という表記になります。
まとめ
ウイスキーにはまだまだ色んな秘密があるんじゃ。
少しずつ豆知識として知ってくと、ウイスキー選びに役立つんじゃよ。