ワイン樽熟成のウイスキーの特徴とおすすめ銘柄10選

シングルモルトも熟成に使われる樽が多様化してきて、ワイン樽で熟成されたウイスキーが数多くでています。

華やかでフルーティな風味が特徴でファンも非常に多いのですが、今回はそんなワイン樽熟成について解説したいと思います。

ワイン樽熟成ウイスキーの特徴

スコッチの熟成で利用されるワイン樽で一般的なものはポートワイン樽、マデイラワイン樽、マルサラワイン樽、ソーテルヌワイン樽、赤ワイン樽がよく使用されます。

中でもよく使用されるのはポートワイン樽やソーテルヌワイン樽で、それ以外のワイン樽熟成ボトルは限定リリースが多い印象です。

シェリー樽に関してはこちら

大きな特徴としてはワイン樽で熟成(後熟)されたウイスキーは、ワインの酸味であったりぶどうの甘味・果実香などが楽しめます。

フルーティなウイスキーだけでなく、スモーキーなウイスキーの後熟で使われることもあり、スモーキーさとワインの酸味・甘味でクリーミーなスモーク感を感じます。

ポートワインとポートワイン樽熟成ウイスキー

ポルトガルの北部で造られる酒精強化ワイン。ポートワインはアルコール発酵中にブランデーを添加、糖分のアルコール発酵がとまりぶどうの甘味が強いワインになっています。

このポートワインの熟成に使用した樽をウイスキーの熟成(後熟)に使ったウイスキー(スコッチ)を紹介します。

グレンモーレンジィ 14年 キンタルバン

グレンモーレンジ 14年 キンタルバン

バーボン樽での熟成の後に、ルビーポートワイン樽で追加熟成。

香りはフルーティーでフローラル、酸味のあるオレンジがふわりと香ります。濃厚なダークチョコレートをかすかに感じます。
味わいは濃厚でなめらかな口当たりにミントチョコレートが包み込むように広がります。

グレンモーレンジィ キンタ・ルバン 14年 ポートカスクフィニッシュ 46度 700ml

アラン ポートワイン フィニッシュ

アランポートカスク フィニッシュ

トラディショナルオーク樽で8年間熟成後、ポルトガルの酒精強化ワイン「ポート」の空き樽で追加の熟成を行いました。

香りはシナモンや焼きリンゴの香り。味わいはバニラ、熟した柑橘類、ドライフルーツ、ナッツのような甘酸味と香ばしさにまろやかな甘さ。余韻にスパイシーさと柑橘感、そしてチョコのようなコクのある甘味。

アラン ポートカスク 700ml

タリスカー ポートリー

タリスカー ポートリー

アメリカンオークとヨーロピアンオークのリフィル樽で熟成させた原酒とヘヴィリーチャーした(内側を強く焦がした)樽で熟成させた原酒をバッティングさせ、ポートワイン樽で追加熟成。

香りは完熟したプラムのような甘さに、枯れ木を燃やしたようなスモーキーさ。味わいはタリスカーの特徴である黒胡椒の風味が表れ、その後ピートの風味が押し寄せる。スパイスとぶどうの風味が入り混じったようなクリーミーなスモーキーさが美味しい。

タリスカー ポートリー(旧ボトル) 700ml 45.8度


カバラン ソリスト ポートカスク

カバラン ソリスト ポートカスク

ポルトガル産の酒精強化ワインの貯蔵樽を利用して熟成。

香りは甘いフルーツ、淡い木、微かなスモーキーの香り。味わいは口の中でナッツチョコレートがゆっくりと溶けるような最高の味わいと余韻。ナッツとオレンジの深い香りが融合し、ゆっくりとポート樽特有のコクのある木の香りが口の中に広がります。

カバラン ソリスト ポート カスクストレングス 700ml


フェイマスグラウス ルビーカスク

フェイマスグラウス ルビーカスク

華やかなフェイマスグラウスの原酒にポートワインの風味が存分に甘味と酸味が感じられます。

香りはモルトミルクビスケット、バニラウェーハ、ドライ、ウッディベーキングスパイス。味わいはローストモルトとレーズンは、クローブとシナモン、タフィーリンゴ、生姜のタッチで、ティーローフのノートをもたらします。

フェイマスグラウス ルビー カスク 1000ml 40度


ソーテルヌワインとソーテルヌワイン樽熟成ウイスキー

ソーテルヌはフランスボルドーの貴腐ワイン産地で、貴腐ぶどう(高糖度の特別なぶどう)から造られる極甘口の白ワイン。

デザートワインであるソーテルヌワインを熟成した樽をウイスキーの熟成(後熟)に使ったウイスキー(スコッチ)を紹介します。

グレンモーレンジィ ネクター・ドール ソーテルヌカスク

グレンモーレンジ ネクタードール ソーテルヌカスク

バーボン樽で10年間熟成した後、ソーテルヌワイン樽で2年間追加熟成。

香りはレモンクリームをのせたタルト、ライムピール、オレンジピール、バニラのアロマ。味わいはデザートのような甘美な味わい絹のような滑らかさ。

グレンモーレンジィ ネクター・ドール ソーテルヌカスク 46度 700ml

アラン ソーテルヌカスク

アラン ソーテルヌワイン フィニッシュ

伝統的なトラディショナルオーク樽で8年間熟成後、フランスの甘口貴腐ワインの空き樽で追加の熟成。

蜂蜜の甘さや柑橘の香りに蜂蜜、スパイス、塩、バニラ、サルタナ、トーストしたオークの味わい。余韻には甘さ、蜂蜜、アプリコット、メロン、スイカズラが感じられます。

アラン ソーテルヌカスク 700ml

キルホーマン ソーテルヌカスク マチュアード

キルホーマン ソーテルヌカスク マチュアード

元ソーテルヌのワイン樽で完全に熟成。2つの別々の年から22%の新鮮なソーテルヌ バリックと78%のリフィル ソーテルヌ バリックの2蒸留年の組み合わせ。

熟したフルーツ、塩辛い海の空気、微妙なピートスモークを伴うクリーミーでバターのような香りにバタースコッチとフローラルノートがトロピカルフルーツと砂糖漬けのフルーツと組み合わさり、全体に流れるピートスモークが特徴。

マディラワインとマディラワイン樽熟成ウイスキー

マディラワインはアフリカのモロッコ沖マデイラ島(ポルトガル領)で造られている酒精強化ワインです。
ブランデーを加えるタイミングによって辛口から甘口のコントロールし様々なシーンで使えるワインを製造している。

このマディラワインの熟成に使用した樽をウイスキーの熟成(後熟)に使ったウイスキー(スコッチ)を紹介します。

キルホーマン 5年 マディラ カスク

キルホーマン マディラカスク 5年

46の新鮮なマデイラ・ホッグヘッドで5年3ヶ月間熟成され、2021年8月に50%abvで瓶詰め。

ローストしたナッツやドライフルーツ、キャラメル、トフィーといった樽由来のキャラクターが、キルホーマンのスモーキーな酒質と調和した素晴らしい味わい。

キルホーマン マディラカスク 5年 700ml 50度

マルサラワインとマルサラワイン樽熟成ウイスキー

マルサラワインはイタリアで造られている酒精強化ワインで、オーク樽で熟成されていて、その影響を受けバニラ、アーモンドやカラメルといった香りが感じられます。また辛口のもから甘口のものまであるのが特徴です。

マルサラ樽で熟成させることで、マルサラ自体に蜂蜜や柑橘感があるので、バニラやアーモンドの香りに蜂蜜の甘さや柑橘感が感じられるようになります。

キルホーマン マルサラ シングルカスクフィニッシュ

キルホーマン マルサラ シングルカスクフィニッシュ 榎商店PB

8年以上バーボンバレルで熟成後、1年以上マルサラホグスヘッドで追加熟成。

オレンジピール、木製テーブル、歴史のある居酒屋の木のカウンターの香りにシナモン、ゆでかぼちゃ(パンプキンパイ)、レザー、ウッディ、リコリス、山小屋の脇の燻製小屋の味わい。爽やかなビター、甘草、鮭とばスモーク、最後には焚火で温まっているような温もりを感じます。

榎商店STAFFより

多くの蒸留所があるスコッチの中でも、様々な樽を使用していて、また限定品などをリリースしている狙い目の蒸留所を最後にご紹介します。

グレンモーレンジィ

樽のパイオニアと呼ばれ、様々な樽での熟成や後熟のリリースが多い蒸留所。ポートやソーテルヌはレギュラーボトルですし、他にも多くの樽熟成が愉しめます。

グレンアラヒー

グレンアラヒーはスペイサイドの華やかな美味しさが際立つ銘柄。限定ながら様々な樽で熟成されたボトルがリリースされます。ただ限定リリースなので売り切れになるのも早いですね。

アラン(ロックランザ)

アランも限定でありながら通年で見かけること出来るポートとソーテルヌがあります。近年非常に人気の銘柄でして、アイランズモルトながら華やかな味わいが素晴らしい銘柄。

キルホーマン

アイラモルトの中でも人気急上昇中の蒸留所ではないでしょうか。様々な樽を使用した限定リリースが素晴らしいですね。アイラ独特の香りに華やかなワイン樽の組み合わせは非常にクセになります。

まとめ

上記の蒸留所はワイン樽熟成を多くリリースしています。同じ酒精強化ワインでも味わいは大きく変わるので、少しずつ試してみて、自分の好みのワイン樽熟成を見つけてそこから様々な銘柄を飲んでみると凄く愉しめると思います。

 

初心者向けストレートならこれがオススメ!シングルモルト4選

中級者向けストレートで飲むおすすめシングルモルト6選

本日のおすすめ商品はこちら

榎商店の各店舗はこちら

※当サイトはアフィリエイト広告を利用しています