先日「日本洋酒酒造組合」からジャパニーズウイスキーの基準が発表されました。これまで日本のウイスキーの定義は「生産国(地)」に関しては触れられていません。
まずはジャパニーズウイスキーの定義をおさらいしましょう。
ジャパニーズウイスキーの定義
これまでのジャパニーズウイスキーの定義では、海外のウイスキー原酒を国内で瓶詰めした製品は「ジャパニーズウイスキー」と表示して販売することが認められていました。
今回の表示の基準で、この点が一番の重要な部分になっています。
海外原酒をつかったブレンデッドウイスキーをジャパニーズウイスキーと表記していいのかという点です。
これをふまえて新基準を見てみましょう。
ジャパニーズウイスキー表示に関する新基準
いろんな点があるのですが、今回は掻い摘んでご紹介します。
- 原材料は麦芽を必ず使用し日本国内で採取された水を使用
- 国内の蒸留所で蒸留
- 原酒を700リットル以下の木樽に詰めて、日本国内で3年以上貯蔵
- 日本国内で瓶詰めしアルコール度数40度以上
- 色調の微調整のためのカラメルの使用を認める
またウイスキーの銘柄に使われる名前に関しても規制があります。これは上記の項目を満たしていない銘柄に該当されます。(製法品質の要件に該当しないことを明らかにする措 置をしたときは、この限りでない。)
- 日本を想起させる人名
- 日本国内の都市名、地域名、名勝地名、山岳名、河川名などの地名
- 日本国の国旗及び元号
だいたい判りますかね?
例えば海外のウイスキー原酒を買ってきてブレンドし「ジャパニーズウイスキー」という表示をすることが出来なくなる他、ウイスキーの銘柄名に「瀬戸内海」なんて名前はつけちゃ駄目ですよって事なんです。
大手メーカーのジャパニーズウイスキー
今回のジャパニーズウイスキー表示に関する基準を受けて、サントリー、ニッカウヰスキー、キリンが現行の銘柄のジャパニーズウイスキーを公開しています。
サントリー
響、山崎、白州、知多、ローヤル、スペシャルリザーブ、オールド、季
ニッカウヰスキー
竹鶴、余市、宮城峡、カフェグレーン
キリン
富士
オールドってジャパニーズウイスキーなんですね。またニッカカフェモルトは海外原酒が入っているという事です。
海外原酒を使った例
海外原酒を使っているブレンデッドウイスキーの例を挙げると、例えばニッカセッションは海外のベンネヴィス蒸留所のモルト原酒が入ったワールドブレンデッドモルトとなっています。
またイチローズモルト&グレーンホワイトラベルもワールドブレンデッドウイスキーと明記されています。
そしてこの2つの銘柄は非常に美味しいですよね。もちろん無くなるわけでもないですし、元々表記はちゃんとしていますから現状の人気のままですよね。
今後のユーザーとしての捉え方
今回のジャパニーズウイスキーの表示の基準は、あくまで粗悪な物がジャパニーズウイスキーを表示しユーザーに混乱を与える点を改正しようという動きです。
以前にTwitterで「海外から旅行者が粗悪なジャパニーズウイスキーと表示された銘柄を購入し、国に帰ってがっかりして欲しくない。」というツイートをみかけました。
確かにその通りだと思います。
今回の表示の規制で、国内外のウイスキーファンがジャパニーズウイスキーを楽しめるといいなぁと感じました。
だからといってワールドブレンデッドウイスキーが駄目という事では決して無いです。イチローズモルト&グレーンホワイトラベルを例にあげますが、素晴らしく完成されたブレンデッドウイスキーですよね。
このあたりをユーザーである私達は勘違いせずに、美味しいものは美味しいとして、国内で販売されるウイスキーと付き合っていきましょう。
最後に今回の「ジャパニーズウイスキー表示に関する基準」は2021 年 4 月1日から施行され、2024 年 3 月 31 日までの間は猶予があるようです。
そしてこの定義は日本洋酒酒造組合の自主基準であり、違反しても罰則はありません。
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