ウイスキーの風味を決める様々な条件解説

ウイスキーって銘柄毎に非常に特徴がありますよね。生産地によっての特徴もありますが、ウイスキーを製造する工程の中でもウイスキーの風味が変わってきます。

そこでウイスキーの風味を決める要因として様々な条件を簡単にですがまとめてみます。

原料による違い

原料 麦

ウイスキーに使われる原料は大麦麦芽、トウモロコシ、小麦、ライ麦などがあります。その組合せでウイスキーの風味の第一歩が決まります。

ウイスキーの酒類で原料の使われ方をまとめると

  • スコットランド シングルモルト:大麦麦芽のみ
  • スコットランド グレーン:大麦麦芽+トウモロコシ、小麦等
  • アメリカ バーボン:大麦麦芽+トウモロコシ、ライ麦、小麦等
  • アメリカ コーン:大麦麦芽+トウモロコシ
  • アメリカ ライ:大麦麦芽+ライ麦、小麦等
  • アメリカ ホイート:大麦麦芽+小麦、ライ麦等
  • アイルランド ピュア:大麦麦芽+大麦、小麦等
  • アイルランド モルト:大麦麦芽のみ
  • アイルランド グレーン:大麦麦芽+トウモロコシ、小麦等
  • カナダ:大麦麦芽、ライ麦麦芽+トウモロコシ、ライ麦等
  • 日本 モルト:大麦麦芽のみ
  • 日本 グレーン:大麦麦芽+トウモロコシ、小麦等

蒸留所の場所・気候

場所 気候

ウイスキーを蒸留や樽での熟成させる場所によって気候や条件から風味が勿論変わってきます。

例えば水を条件にあげると、ウイスキーは非常に水を多く使うので水源を考えて蒸留所は建てられています。この水が軟水か硬水かによってウイスキーの性質が変わります。

また気候や地形の条件は穀物の育成状態や麦芽の発酵、そして樽の熟成にも影響を与えます。

例えば樽での熟成中に潮風があたる場所ならば潮の風味が付きますし、熟成中の温度・湿度でも風味は変わります。

そして気候+地形によっては穀物等の生育具合にも大きな違いが生まれます。アイラ島のウイスキーの特徴は気候+地形の条件からきています。

蒸留器による違い

蒸留所

ウイスキーはアルコールを抽出する際の工程である蒸留を行う。

蒸留には単式蒸留と連続式蒸留があるが単式はモルトウイスキーを作る際に用いられ、連続式はグレーンウイスキーを作る際に使われる。

じつはこの蒸留を行う蒸留器であるポットスチル(単式蒸留器)は形状や大きさが統一されているのではなく、各蒸留所によって様々なだけでなく、蒸留所内でも全く同じものとは言えない。

蒸留時にウイスキーの香味が生まれるので、蒸留器によってのウイスキーの香味の性質は変わってきます。

熟成で使用する樽の種類と期間

樽

ウイスキーは蒸留後に長い年月の間樽で熟成されます。ウイスキーの風味の一番の決め手になる部分で、こちらで使われる樽によってウイスキーの風味が決まります。

  • バーボン樽:華やかな木の香り、バニラ香
  • シェリー樽:甘いシェリーの香り、果実香
  • 新樽:古樽よりも熟成速度が早く、焦がすと成分の溶け出しが活性化されて力強い風味が生まれる
  • ウイスキー樽:熟成に何度か使われているため、あまり影響を受けずに穏やかな風味

また当然熟成の期間によっても樽本来の熟成期間に溶け出す成分量の違いがありますし、樽が受ける気候の条件によって変わってきます。

樽の熟成に関しては「樽の熟成と熟成期間でどうなるの?」も参考にしてみてください。

熟成後のウイスキーは毎回変わる

毎回変わるウイスキー

当然の話しですが、全て同じ条件でウイスキーの熟成までを終わらせる事は不可能という事が上記でわかったと思います。

だからシングルモルトウイスキーとは言え、同じシングルモルトのウイスキーの違う樽の原酒と組合せて目的の風味に近づけてから瓶詰めされます。

ブレンデッドウイスキーも、モルトウイスキーとグレーンウイスキーを組合せて瓶詰めされるのですが、その時のウイスキー原酒の出来を見て優秀なブレンダーが配合比率を決めてブレンドさせています。

まとめ

まとめてみて気づいたのですが、ウイスキーの完成形って神のみぞ知る偶然なのではないでしょうか。

長い年月をかけていると、気候が大きく変わる年ってありますよね。勿論熟成させる場所はそういった対策も施されているんでしょうが、収穫される原料の出来も変わってきます。

出来上がった原酒は「これまでと全く違うぞ」なんて時もあったかもしれません。

それでもウイスキー愛好家に喜ばれるウイスキーの提供が続いているのはひとえにブレンダーの優秀さからかもしれませんね。

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