2023年にサントリーがウイスキーづくりをはじめて100年を迎えました。
それに伴い、2023年2月1日に今後の100年に向けた取り組みとして、100億円規模の設備投資を発表。
結論からお伝えすると、この投資は大きく2つにわかれ、
- 山崎・白州の品質向上
- 山崎蒸留所と白州蒸留所の魅力訴求(施設改修)
に投資されます。
この詳細についてご紹介します。
品質向上
今回の投資に、山崎・白州の品質向上が掲げられています。
さらなる品質向上に向けた取り組みとして、仕込や蒸溜工程だけでなく、原料にまで徹底的にこだわる“原酒のつくり込み”への挑戦が掲げられています。
また、両蒸留所でフロアモルティングが導入されます。
フロアモルティングとは、ウイスキーづくりの伝統的な手法で、フロアに広げた大麦を、人の手でシャベルを使って撹拌し、発芽を促進させる作業です。(モルティングと呼ばれます)
この作業は熟練の技術が必要かつ重労働なため、近年では、本場スコットランドでもほとんど機械作業に置き換わりました。
現在では、ウイスキーづくりの本場、スコットランドでもフロアモルティングを行っているところはなく、現在は6ヶ所のみとなっています。
サントリーも以前、フロアモルティングを採用していた時期がありましたが、途中でやめていました。
しかし今回、サントリーは品質向上のため、あえて時代や効率性に逆行するフロアモルティングを再導入。
さらなる原酒の品質向上を目指していくとのことです。
そして山崎蒸留所は、「パイロット ディスティラリー」と呼ばれる、直火加熱だけでなく、電気式加熱も可能な
改修します。これまでもこの施設で技術開発を行ってきていましたが、今回、両方の加熱が可能な蒸留釜を導入することで、さらなる品質向上の研究をしていくとのことです。
白州蒸留所は、「酵母培養プロセス」を導入。
酵母は種類により味や香りのバランスが異なるため、これらを使い分けていくものと思われます。
また、これにより、継続的に高品質な酵母の調達を目指していくとのことです。
過去の品質向上の取り組み
サントリーの蒸留所は、1981年に白州蒸留所を、1987~1988年に山崎蒸留所の大改修を行いました。
この1980年代の改修では「木桶の発酵槽」と「直火蒸溜釜」が導入され、これによりウイスキーの品質が向上。
改修14年後の2003年には「山崎 12年」がインターナショナル スピリッツ チャレンジの金賞を受賞するなど、世界的に評価を受けるようになりました。
蒸留所の魅力訴求
今回、山崎と白州ウイスキーの品質向上とともに力を入れるのが、蒸留所そのものです。
“日本の自然・風土に育まれ、つくり手の技によって仕上げられる、日本人ならではの繊細なウイスキーづくり”や、ものづくりの現場である“蒸溜所の魅力”をさらに訴求していく施設に改修を目指すとのことです。
どちらも訪問しやすい施設に改修され、両蒸留所とも2023年秋ごろ、リニューアルオープンの予定です。
山崎蒸留所
「山崎の杜」が整備され、「新たな飲用体験の場」が設けられます。
今までもショップで試飲できるティスティングカウンターはありましたが、もっと整備された場所になりそうです。
山崎蒸留所は、2023年5月1日から2023年秋頃まで改修工事に入ります。
(期間中、工場見学とショップの営業は休止)
白州蒸留所
「白州の森エントランス」が整備され、「森が見えるティスティングカウンター」が設けられます。
既に改修工事に入っており、現在、見学施設やレストラン等も休止中です。
100周年を記念した限定商品
さて、今回のサントリーウイスキー100周年を記念して、限定商品がリリースされます。
いずれも数量限定販売です。
- サントリープレミアムハイボール缶 白州。2023年6月6日発売。
- サントリープレミアムハイボール缶 山崎。2023年秋発売。
- サントリーウイスキー100周年記念蒸溜所ラベル。(山崎・山崎12年・白州・白州12年)
4月から順次発売。
角瓶、ジムビーム、トリスはハイボール需要促進
このほか、角瓶、ジムビーム、トリスは「業務用・缶・瓶」でハイボール需要の促進活動をしていくとのことです。
まとめ
過去に改修によりウイスキーの品質を向上させてきた山崎・白州蒸留所。
フロアモルティングされたウイスキーが飲めるのはまだ先でしょうが、さらなる美味しさの向上への期待が高まります。
また、施設がリニューアルされた山崎蒸留所および白州蒸留所も楽しみです。
これからの両蒸留所の活躍に期待大ですね!
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