タリスカー蒸留所

スコットランド のシングルモルトウイスキーであるタリスカーは非常に人気の高いウイスキー。現在販売量もスコッチで10指に入るのだそうです。

今回はそのタリスカーが造られている「タリスカー蒸留所」について、タリスカー蒸留所の知識をまるごと覚えちゃいましょう。

タリスカー蒸溜所の場所「スカイ島」

スカイ島

タリスカーはスコットランドの6大産地「アイランズ」に分類されるスコッチウイスキーで、アイランズはスコットランドの島々にある(アイラ島を除く)蒸留所をまとめてアイランズと呼ばれています。

そしてタリスカー蒸留所のある島は「スカイ島」で以前はスカイ島唯一の蒸留所だったのですが、2017年同島にトラベイグ蒸留所が建設され、今ではスカイ島最古の蒸留所と書かれています。

スカイ島は英語のSkyではなく古代ノース語のSkyeで「翼の形をした島」という意味だそうです。GoogleMapでみてみると確かに翼の形を連想させますね。

観光地としても人気のタリスカー蒸留所

タリスカー蒸留所は近年多くのファンを増やし、蒸留所に訪れる観光客も年間5〜6万人が訪れているそうで、合わせてスカイ島の中心地である「ポートリー」は人気の観光スポットとなっています。

蒸留所見学と合わせていつかはスカイ島に行ってみたいですね。

タリスカー蒸留所のツアーをエクスペディアで見つけました。スカイ島の観光スポットや宿泊施設なども見れるのでリンクを掲載しておきますね。

スカイ島の自然

スカイ島にあるタリスカー蒸留所の位置は北緯57度で札幌市が43度で北寄りになりますが、近くを流れるメキシコ湾流の影響により基本はそれほど下がらず、雪が積もることはまれだそうです。

その代わり天候が非常に変わりやすく、濃霧に覆われる日が非常に多いことから「霧の島」と呼ばれ、冬場は外海が荒れ大きな波が岩肌に打ち付けられ、そういった力強い波と潮風の影響を受けタリスカーの力強さに繋がっているんですね。

タリスカー蒸留所は近くの「ホークヒル」から取水していて、頻繁に降る雨が岩石質の地層へと入り、雨水から生まれる湧き水として使っています。

タリスカーの歴史

タリスカー蒸留所は1827年マカスキル兄弟がスカイ島にやってきた事からはじまります。この兄弟は羊を運ぶ仕事をしていたのですが、スカイ島の大麦をより大きな価値を生み出すものにしようと、当時盛んになっていたウイスキー造りに着目します。

そうして汽水湖の沿岸に面したカーボストに1830年に建てられたのがタリスカー蒸溜所です。

タリスカーの名前の由来は、マカスキル兄弟が蒸溜所建設中に宿泊していた「タリスカー・ハウス」から名前を取っています。古代ノース語では「傾いた大岩」という意味になるそうです。

タリスカー蒸留所はこうして船出を迎えたわけですが、当時ウイスキー蒸留所は農業の副業として運営されていたのが殆どで、またこのころスカイ島には免許を持つ7つの蒸留所と、数十の無免許蒸留所が稼動していました。

1840年代になるとじゃがいもの飢饉の余波がスコットランドに広がります。タリスカー蒸留所は地元の人々の救済に奮闘するものの、1843年資金難でジャック・ウエストランドに蒸留所を売却する事となります。その後何度かのオーナー変更を経て1925年に現在の形になりました。

世界恐慌や第二次世界大戦でスカイ島に数多く存在した蒸留所は閉鎖されていきます。タリスカー蒸留所も同じく不遇の時代となります、さらに1960年に蒸留所で火災が発生しますが、蒸留所は2年後に復活します。

こうした不遇の時代やピンチを乗り越え、今やウイスキーブームとなり、多くのウイスキーファンを唸らさせる味わいを提供し続けています。

現在はディアジオ社がオーナーとなっています。日本での販売はMHD(モエ・ヘネシー・ディアジオ社)が行っています。
えのき先生
えのき先生

タリスカー蒸留所の製法

タリスカー蒸留所では1830年から変わらぬ製法が受け継がれています。収穫した大麦を発芽させ、ピートを使って大麦を燻し発芽を適度な状態で止めます。その大麦を粉砕しマッシュタンに移し、約70℃の温水を加え溶け出したデンプンを糖分に分解し麦汁を作ります。

麦汁を濾過した後ウォッシュバック(発酵槽)に移し、酵母を加え発酵させます。ウォッシュバック(発酵槽)は昔ながらのオレゴンパイン(オレゴン松)製で造られ、乳酸菌による乳酸発酵を促し、70時間かけて発酵させます。通常50時間の発酵時間なので非常に長く、この工程で独特のフルーティーな香りと味わいの原酒になるのだと言われています。

発酵を終えた麦汁を同棲のポットスチル(単式蒸留器)で2回蒸留します。初留釜で蒸溜する際に、重いものはU字に曲がったライパイプの先に付いている精留器により再び初留釜の中に還流され、気化と液化が繰り返される事で非常にクリアな初留液が生まれます。

また蒸気を冷やす冷却器はワームタブが使用され、現在ではスコットランドでも12の蒸留所しか採用していないそうです。ゆっくりと液化されるので、タリスカーの独特の特徴を生み出すのに一役かっています。

設備をまとめるとオレゴンパインの発酵槽8基、蒸留器は初留器が2基、再留器3基、生産量は現在330万リットル近くを生産できるようになっています。
えのき先生
えのき先生

熟成には主にアメリカン・オークのバーボン樽かヨーロピアンオークのシェリー樽を使用しています。長い年月熟成されたいくつかの樽の中の原酒をブレンダーが組み合わせる事で、今日飲んでいるタリスカーの素晴らしい味わいとなりボトリングされています。

シングルモルトは同一蒸留所の複数の樽のモルト原酒を混ぜ合わせて造られます。シングルカスクというのは1つの樽の原酒をそのままボトリングしたものを指します。
えのき先生
えのき先生

タリスカー蒸留所で造られるウイスキー

タリスカー

タリスカー蒸留所では現在コアレンジとして7種類のボトルが製造されています。免税店向けや特別な限定ボトルを合わせると当然もっと増えます。

榎商店でも各ボトルの特徴を記事にしていますので、ここではラインナップのリストを載せておきます。

タリスカー コアレンジ

現在タリスカーのコアレンジのラインナップはこちらで個別に紹介しています。

タリスカー限定ボトル

通年販売ではないタリスカーオフィシャルの限定ラインナップです。こちらも特徴を解説した記事を公開しています。

タリスカーの香りや味わいの特徴とは

タリスカーはどんなウイスキーかというと、一般的にブラックペッパーのようなスパイシーさを感じるウイスキーと殆どの方が答えると思います。

ただ現在販売されているタリスカーのフラッグシップボトルであるタリスカー10年は口当たりは甘くフルーティで、フィニッシュにかけてブラックペッパーのスパイスと微かにスモークやピートを感じるのが特徴です。

今旧ラベルと呼ばれるタリスカー10年の時ほどのスパイシーさはないと言われてて、実際私もそうなのかもと思っています。ただだから美味しくなくなったわけでなく、使い勝手は良くなった気がしてます。

このようにウイスキーはシングルモルトとしてリリースする際に、ブレンダーさんの類まれなる技術で、その風味を維持しているのですが、やはり熟成されたウイスキーの味わいを調整することができなくなると、ラベルデザインの変更などで若干ブレンドする構成原酒の熟成樽の変更で風味が変わることがあります。

これらも踏まえてのタリスカーの特徴を一言で表すと「ブラックペッパーのようなスパイシーさを感じるウイスキー」となるのだと思います。

タリスカーのおすすめの飲み方

タリスカー 飲み方

タリスカーの全てのボトルを対象にこの飲み方がおすすめとは言い難いのですが、ストレート、ロック、ハイボールとどんな飲み方でも美味しく楽しめる銘柄ですね。

とくにハイボールはスッキリとキレのある味わいで素晴らしく美味しいと思います。タリスカー10年、スカイ、ストームは特にハイボールがおすすめですね。

タリスカーポートリーやダークストーム、18年は私個人の意見になりますが、ストレートやロックがおすすめ。甘さとフルーティさをしっかりと感じる事が出来る飲み方です。

またタリスカーはオフィシャルから紹介されているペッパーハイボールというものがありまして、ハイボールを作ってブラックペッパーをふりかけて飲む飲み方があります。

またBARではペッパーの代わりに山椒をかけているところもあるそうです。

タリスカーのラインナップを飲んでみた感想

榎商店STAFFが実際にタリスカーを飲んでみたレビュー・個人的な評価も多数公開していますので、購入の参考にご覧ください。

タリスカーのアメニティ

タリスカー アメニティ

タリスカーはこれまでに様々なアメニティが入手できましたが、現在榎商店でお取り扱いをしているアメニティのご紹介を致します。

榎商店STAFFより

タリスカー蒸留所について簡単にですが場所から気候そして蒸留所の歴史にウイスキーの製造そしてラインナップなどをまとめてみました。

これまでの紹介記事やレビューと合わせることでタリスカーの知識ほぼ全てを知ることが出来るようになっていると思います。

タリスカー好きの方はもちろんですが、少し興味がある全ての方に是非ブックマークやリーディングリストに入れて頂いて繰り返し楽しんでいただけると幸いです。

出典:タリスカー オンライン

❇当ブログで引用した画像・文章は許可を頂いて掲載しています。

 

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